瓦屋根について分かりやすく解説!どんな種類がある?

家を建てたり、屋根の葺き替えを検討する時、どんな屋根材があるかわからないと、選びようがありませんよね。でも、予算や好み、新築なら他にも決めないといけないことが山ほどあって、屋根材についてばかり調べる余裕もそんなにありません。そんな人のために、屋根材についての基本的なことや、瓦屋根について解説していきたいと思います。

S型瓦

まず、屋根材の種類についてですが、瓦屋根以外にもいくつかあります。もし、瓦屋根だけを検討されている場合でも、他の屋根材についての大まかな種類や、そのメリットやデメリットについては知っておいたほうが役に立つでしょう。
瓦屋根以外でよく使われるのは、スレート、板金屋根です。

スレートはカラーベストなどとも呼ばれます。瓦と違って剥がすことができず、厚みもありません。スレートの最大のメリットは単価が安いことです。ですので、瓦屋根よりもグンと安くすることができます。デメリットについてですが、経年によって汚れが目立ってしまったり、コケが生えてしまったりするので、洗浄や塗り替えが必要になります。また、葺き替えする場合も、屋根材の下地も変えねばならないので、かなり大掛かりな工事になってしまいます。

次に、板金屋根があります。板金屋根の中にも種類があり、遠目に見てボーダー柄に見えるのが横葺き板金、ストライプに見えるのが縦葺き板金です。板金屋根の最大のメリットは、重量が軽いことです。また、防水にも優れており、雨漏りの心配などもありません。デメリットとしては、劣化がしやすいことです。例えば、海辺に住んだりする場合は錆が出やすくなってしまいますので、お勧めできません。

以上のような、それぞれの屋根材の特徴を踏まえると、瓦屋根は高価で重量のある屋根材ではありますが、耐久性に優れ、葺き替えに際しても利点があり、長く使うことができる屋根材ということになります。では、瓦屋根にはどんな種類があるかについて、書いていきます。

皆さんは、瓦屋根と聞いて、どんなものを思い浮かべられますでしょうか?戦国時代に築かれたような立派なお城に葺かれた銀色の瓦や、洋館に葺かれた色とりどりの瓦などかも知れません。瓦屋根も大まかに種類を分けることができます。

まず、お城に葺かれているような銀色の瓦は、和瓦と呼ばれます。ちなみに、この和瓦は形状のことを指すので、街中で見かける青や緑色の屋根でも、形状が和瓦であれば、それらもまとめて和瓦と呼びます。こちらにはJIS規格があります。もちろん、JIS規格外の和瓦も存在します。

次に、洋館に葺かれているような瓦は、洋瓦と呼びます。洋瓦にはJIS規格があるわけではなく、洋風の瓦のことを広くこう呼びます。瓦一枚につき山が二つあるようなものや、真横から見るとS字に曲がって見えるもの(S瓦と呼びます)など、様々な形状のものをこう呼びます。もし、家を洋風のデザインにしたい場合は、洋瓦を検討されると良いですが、形状も色もたくさんありますので、よく吟味する必要があります。

以上のような、すぐ思い浮かぶようなものの他に、よく扱われる屋根材には平板瓦があります。平板瓦にもJIS規格があります。こちらは、和瓦や洋瓦と違って瓦自体に高低差がほとんどなく、遠目に見るとスレート屋根や板金屋根に見えることもあります。和風の家にも洋風の家にもよくなじみ、シックな印象となるので、意匠性が高いとして人気のある屋根材です。高低差のある瓦と違い、雨が屋根全体に流れていってしまうので、防水性はあまりよくないと言われます。ですので、見た目を一番に考えた時に、平板瓦を選ぶ方が多いようです。

瓦の形状については、以上の3種類が大まかな分類になります。このほか、陶器瓦、セメント瓦など、瓦の材質によっても種類は分かれます。ちなみに、スレート屋根などの場合、葺き替えの代わりに、その上から金属やプラスチック素材の屋根を二重葺きにすることがあります。こちらは、見た目は瓦ですが、実際には瓦ではありませんので注意してください。
瓦を選ぶときは、まず予算があり、地域柄などで優先したいメリット、デメリットがあるので、それらによって自ずと決まってくるものではないかと思われます。しかし、家は長く住むものなので、メンテナンスや、屋根の上に何か追加して施行する際の利便性については、考慮が必要です。例えば、太陽光発電を設置するなどの検討をされる場合は、輸入品の瓦などの特殊なものはやめておいたほうが良いでしょう。もしすでに検討されているのであれば、設置可能な屋根材かどうか、あらかじめ確認しておくのがオススメです。

普段、生活している時は、屋根の上のことなどあまり考えませんし、家を見ても屋根材は一番に着目するものでもありません。しかし、長く住むのであれば、耐久性やメンテナンスに際してのメリット、デメリットなどがありますので、十分に検討したほうが良いです。基本的なことを押さえておけば、最良の選択が出来ますので、ぜひ参考にしてください!